健康寿命をいつまでも講座【肝臓編】

春は「肝」の季節。「物言わぬ臓器」である肝臓を労わりましょう。

GWも過ぎ、夏に向けて少しずつ気温が上がってきていますね。

東洋医学の考え方である”陰陽五行説”では、「春」は木火土金水のうちの「木」にあたります。春(=木)に属する臓器は「肝」。
つまり、春になると私たちの体は肝臓をしっかり働かせて、冬の間にため込んだ「毒素」を一気に排泄しようとしています。
そんな時にストレス、食べすぎや飲みすぎなどで肝臓が疲れていると、体の不調が長引き、「肝」に属する感情(=五志)の「怒(=怒り)」が出やすくなります。


肝臓が疲れる原因はお酒の飲みすぎだけではないんですね。

勿論、アルコールの摂りすぎで肝臓の機能が低下することもありますが、今は非アルコール性脂肪肝の方が問題視されています。

「非アルコール性脂肪肝」ですか?

肥満、ストレス、昼夜逆転の生活などが原因で肝臓に脂肪がたまっているのが非アルコール性脂肪肝です。以前は非アルコール性脂肪肝は進行しないと言われていましたが、飲酒習慣がない人でも肝炎から肝硬変、肝がんへと進むこともあることから、非アルコール性脂肪肝も危険であると認識されるようになったんです。

生活習慣などで、肝臓がんに…?

残念ながら、最悪の事態になることも…。脂肪肝の初期の頃ははっきりとした自覚症状はありませんが、症状は確実に進み、肝臓の細胞が風船のように腫れ、やがてそれらの細胞は壊れてしまいます。その壊れた幹細胞を取り除くために、肝臓では炎症が起こり、このような状態が長く続くと肝臓が硬くなる線維化が起こってきます。

自覚症状が無くても、肝臓は大変なことになっているんですね。
では、肝臓を元気にするにはどうしたらいいのでしょう?

まずは一年に一度は健康診断を受けましょう!肝臓には痛みなどを感じる神経がないため、異常があっても肝臓そのものは自覚症状を現しません。その為、何らかの症状が現れたときには、かなり病状が進んでいる可能性があるのです。
血液検査で肝臓が正常に機能しているかを調べることができるので、もし異常が見つかった場合は前向きに治療をしていきましょう。

日頃の生活習慣も大事ですよね。

お酒を飲まない人でも、食べすぎや運動不足などは、脂肪肝の原因となる可能性があります。春はお花見や歓迎会が多い時期ですが、飲みすぎ・食べすぎに気を付けて「肝臓」を労わって下さいね。